ケアマネージャーについて

介護支援専門員(ケアマネージャー)の 役割について

介護支援専門員とは

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、介護保険法に基づいて、要介護者や要支援者が適切なサービスを利用できるよう支援する専門職です。具体的には、以下のような業務を行います。

  1. 居宅サービス計画の作成 利用者の希望や心身の状態に基づいてケアプラン(介護サービス計画)の作成
  2. 居宅サービス事業者や施設でのサービス利用の連絡調整
  3. サービス実施状況把握、評価   
  4. 利用者状況の把握
  5. 介護保険の給付管理
  6. 要介護(支援)認定申請に対する協力、援助   
  7. 相談業務介護認定を受けた方からの相談対応

資格ができた経緯

急速な高齢化と家族形態の変化を背景に、社会全体で介護を支える仕組みが求められ、平成9年に介護保険制度が制定されました。この制度の基本理念は「高齢者の自立支援」であり、利用者本位の介護支援サービスが提言されました。この結果、介護支援専門員が制度上に位置づけられました。

介護支援専門員のこれから

介護支援専門員は様々な事業所で活躍しており、地域包括ケアシステムの要としても重要です。今後は高齢者支援にとどまらず、障害や児童のケアマネジメントにも取り組み、職域を広げる必要があります。

Care manager salary comparison
ケアマネージャーの給料を他の介護職と比較してみた ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護業界での要職であり、利用者のケアプラン作成や介護サービスの調整を行う重要な役割を担っています...

介護支援専門員の行動規範の概要

自立支援

自立した生活を支援するための具体的業務:

  • 利用者の生活全般を見直し、できるだけ自立して生活できるように支援計画を作成します。
  • 日常生活動作(ADL)の向上を目指したリハビリや支援サービスの導入を調整します。

尊厳と人権の保持

尊厳と基本的人権を守るための具体的業務:

  • 利用者の意思や希望を最大限に尊重したケアプランを作成します。
  • 利用者が安心してサービスを利用できる環境を整えます。

権利と利益の擁護

最善の方法で利用者の自立を支援するための具体的業務:

  • 利用者の権利を守り、必要に応じて権利擁護のための支援を行います。
  • 利用者の意思決定をサポートし、情報提供を行います。

専門性の向上

専門的知識と技術の向上を図るための具体的業務:

  • 継続的に研修やセミナーに参加し、最新の介護技術や知識を習得します。
  • 自己評価を行い、フィードバックを受け入れ、サービスの質を改善します。

公正中立な業務遂行

公正中立な立場を保つための具体的業務:

  • 利用者の利益を最優先に考え、偏りのない公正な判断を行います。
  • 利用者にとって最適なサービス提供者やリソースを選定します。

社会的信頼の確立

社会の信頼を得るための具体的業務:

  • 法令を遵守し、業務を適正に遂行します。
  • 地域社会や他の関連機関と協力し、信頼関係を築きます。

個人情報の保護

個人情報を保護するための具体的業務:

  • 利用者の個人情報を適切に管理し、漏洩を防ぎます。
  • 正当な理由がない限り、利用者の情報を第三者に提供しません。

法令の遵守

法令を遵守するための具体的業務:

  • 介護保険法や関連法令を理解し、業務に反映させます。
  • 法令改正に対応し、必要な手続きを適切に行います。

説明責任

利用者への説明責任を果たすための具体的業務:

  • サービス内容や提供方法について、利用者にわかりやすく説明します。
  • 利用者の疑問や不安に対して、適切に応答します。

苦情対応

苦情に迅速に対応するための具体的業務:

  • 利用者や関係者からの苦情や意見を受け付け、記録します。
  • 苦情の内容を分析し、適切な対応策を講じます。

連携の推進

他の専門職と連携するための具体的業務:

  • 医師、看護師、リハビリ専門職などと連携し、包括的なケアを提供します。
  • 定期的に連絡会やカンファレンスを開催し、情報共有を行います。

地域包括ケア

地域包括ケアを推進するための具体的業務:

  • 地域の福祉施設や医療機関と協力し、地域全体での支援体制を構築します。
  • 地域住民やボランティアと協働し、地域ケアの充実を図ります。

社会貢献

  • 介護保険制度の基本理念である「介護サービスの社会化」を推進します。
  • すべての人が住み慣れた地域において可能な限り安心して暮らし続けることのできる社会の実現を目指し行動します。

出典:介護支援専門員 行動規範

行動規範については令和5年6月25日令和5年度第15回日本介護支援専門員協会にて制定されました。

まとめ:ケアマネージャーの役割について

ケアマネージャー(介護支援専門員)は、高齢者や障害者が自立した生活を送るために、介護サービスの計画を立てる専門職です。ケアマネージャーの主な役割は、利用者やその家族との相談を通じてニーズを把握し、適切な介護サービスを提供するためのケアプランを作成し支援を行ってくれます。

ケアマネージャーは、医療機関や介護サービス提供者と連携し、利用者の状態や状況に応じてケアプランを見直し、調整します。また、介護保険制度に関する助言や申請手続きをサポートする役割も担っております。

ケアマネージャーは、利用者の生活の質を向上させるために、個別の状況に応じた最適な介護サービスを提供することが求められます。そのためには、医療や福祉に関する幅広い知識と、高度なコミュニケーションスキルが必要です。また、利用者や家族の声を丁寧に聞き取り、信頼関係を築くことが重要になります。

ケアマネージャーは、利用者が可能な限り自立した生活を送れるよう支援し、その過程で生じる様々な問題に柔軟に対応し検討していくのがベストなケアマネージャーといえます。

最終的に、ケアマネージャーは利用者とその家族が安心して暮らせる環境を整えるための重要な存在であり、その役割は介護サービスの質を左右する大きな鍵となります。利用者と家族の信頼関係を築きながら自立した生活を継続的に行えるよう支援してくれます。