ケアマネジャーのみなさん、そしてこれから資格を目指すみなさん、こんにちは!
長年、介護業界で大きな議論の的となっていた「ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新制度」について、いよいよ大きな転換期を迎えています。

「更新制が廃止されるって本当?」「これからは研修を受けなくていいの?」と、疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、「5年ごとの資格更新制」は廃止される方針が閣議決定されましたが、「研修そのもの」がなくなるわけではありません!

本記事では、2026年の最新動向に基づき、制度変更のポイントや今後のスケジュール、研修がどのように変わるのかを分かりやすく解説します。

1. 今回の法改正で「確定していること」

政府が閣議決定し、国会に提出した改正法案には、ケアマネジャーの資格制度の抜本的な見直しが盛り込まれています。主なポイントは以下の通りです。

項目これまで(現行制度)これから(新制度)
資格の有効期限5年ごとに更新が必要(忘れると失効)一度取れば生涯有効!
研修の扱い更新するために受講受講は「法令上の義務」として存続
未受講のペナルティ資格失効(ケアマネ業務ができなくなる)資格は消えないが「業務禁止命令」の可能性
職場の責任本人任せになりがち法人側にも「受講機会の確保」が義務化
試験の受験資格実務経験が「5年以上」必要「3年以上」に短縮(緩和)
  • 「5年ごとの更新制」の廃止(生涯資格化)
    これまでケアマネジャーは5年ごとに研修を受講し、有効期間を更新しなければ資格を失って(失効して)いました。新制度では、この有効期間そのものが撤廃され、一度取得すれば生涯有効な資格へと変わります。
  • 「定期研修」は法令上の義務として存続
    更新制は廃止されますが、ケアマネジメントの質を担保するため、「定期的な法定研修の受講」はすべてのケアマネジャーに対して法令上の義務として課されます。
  • 未受講者には「業務禁止命令」の罰則も
    研修を受けなくても直ちに資格を失うわけではありませんが、正当な理由なく研修を受講しない場合、都道府県知事から受講命令が出され、従わない場合は1年以内の期間を定めて業務への従事を禁止できる強力な監督権限が新設されます。
  • 事業者(法人)側にも機会確保を義務付け
    ケアマネジャー個人だけでなく、居宅介護支援事業所や介護施設などの事業者に対しても、雇用するケアマネジャーが研修を受けられるよう「受講機会の確保」が義務付けられます。違反した事業者には勧告や命令、公表などの措置が行われます。
  • 受験資格の緩和(5年→3年へ)
    深刻な人手不足に対応するため、ケアマネジャーの試験(実務研修受講試験)の受験資格に必要な実務経験を、現行の「5年」から「3年」に短縮する方針も打ち出されています。

2. なぜ見直されるのか?現場の「しんどい」背景

これまでの更新研修は、現場のケアマネジャーにとって非常に重い負担となっていました。見直しの背景には、以下のような限界があります。

  1. 時間的・身体的負担が大きすぎる:長い場合は80時間以上に及ぶカリキュラムがあり、通常業務を抱えながらの受講は残業や休日返上につながっていました。
  2. 生活への深刻な影響:土日の受講や連日の拘束により、子育てや家族の介護を担うケアマネジャーの私生活が犠牲になっていました。
  3. 職場へのしわ寄せ:数日間不在にすることで、他のスタッフへの負担や、担当利用者の緊急対応への不安(心理的負担)が生じていました。
  4. 高額な経済的自己負担:受講料が数万円(地域によっては数万円〜8万円超)かかり、その多くを自己負担している実態が離職の一因と指摘されていました。

3. 新しい研修はどう変わる?「負担軽減」の具体策

「資格更新がなくなっても、義務化された研修が今まで通り大変だったら意味がない」と思われるかもしれません。これに対し、厚生労働省は研修の負担を大幅に軽減する方向性を明言しています。

新しい研修スタイルのイメージがこちらです。

  • オンライン・オンデマンド受講が基本に
    今後の定期研修は、時間や場所にとらわれず柔軟に受講できるよう、オンラインおよびオンデマンド(録画配信など)での受講を基本とします。これにより、会場への移動や交通費・宿泊費の負担が激減します。
  • 講義時間数の縮減
    知識のアップデートなどを目的とする「講義形式」の時間数を可能な限り見直します。特に負担の大きかった「初回の更新研修」に相当する課程なども時間数が圧縮される予定です。
  • 「5年以内の分割受講」が可能に
    まとまった休みを取る必要がなく、例えば「5年などの一定期間内に、それぞれの望むタイミングで分けて受けられる」という分割受講の仕組み(専門研修Ⅰ・Ⅱ、主任更新研修、再研修などが対象案)が構想されています。
  • 受講料の地域格差を是正
    国が一元的な研修教材を作成することなどを通して、地域ごとに格差のあった高額な受講料の是正を図るとしています。受講状況は新設される「指定研修受講管理機関」で適切に管理されます。

4. いつから導入される?スケジュール予測

改正法案は、「公布後1年半以内に政令で定める日」に施行されると記載されています。

今後の大まかな流れは以下のようになります。

現時点では、2027年度(令和9年度)の制度改正および第10期介護保険事業計画のスタートに合わせた施行が有力視されています。具体的な新カリキュラムや省令の詳細は、今後段階的に詰められていく見通しです。

⚠️ 注意!現行の更新時期を迎える方は受講を見送らないで

「どうせ廃止されるなら、今の更新研修は受けなくていいや」と放置するのは絶対にNGです。

新制度がスタートするまでは現行法が適用されます。もし有効期間が切れてしまうと、資格は即時失効し、ケアマネジャー業務ができなくなります。また、将来復帰する際にはより負担の重い「再研修」の受講が必要になってしまうため、自身の更新期限までは必ず現行のルールに従って手続きを行ってください。

まとめ:これからのケアマネジャーに求められること

今回の改正は、これまでの「受けなければ失効する」という恐怖を伴う外発的な動機から、医師や看護師のように「資格を維持しながら、専門職として自律的に学び続ける」生涯免許の形へのポジティブな転換といえます。

オンライン化や時間短縮によって「業務や生活の余裕」が生まれ、より目の前の利用者様への支援(ケアマネジメントの質向上)に集中できるようになることが期待されています。今後の国の正式な発表を注視していきましょう。