高齢者の生きがいランキングの概要
高齢者が持つ「生きがい」は、健康維持や生活の質向上に大きな影響を与える要素です。令和3年度 内閣府による高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果が実施されており、高齢者がどのようなことで喜びやの生きがいを感じているかを調査されております。これにより高齢者の方が生きがいを何で感じているかを検討することができます。
生きがい(喜びや楽 しみ)を感 じる時調査
生きがいを感じる瞬間について | 全体 |
「孫など家族との団らんの時」 | 55.3% |
「おいしい物を食べている時」 | 54.8% |
「趣味やスポーツに熱中している時」 | 53.5% |
「友人や知人と食事,雑談している時」 | 52.6% |
「テレビを見たりラジオを聞いている時」 | 43.2% |
「旅行に行っている時」 | 39.8% |
「夫婦団らんの時」 | 34.5% |
「他人から感謝された時」 | 31.7% |
「仕事に打ち込んでいる時」 | 30.9% |
「収入があった時」 | 24.8% |
「勉強や教養などに身を入れている時」 | 16.7% |
「若い世代と交流している時」 | 12.5% |
その他 | 1.2% |
不明・無回答 | 0.7% |
※(生きがいを『感じている』と答えた人に占める割合/複数回答)
高齢者にとっての生きがいランキング:多様な幸せの瞬間
高齢者にとって、生きがいは生活の質を高め、日々の満足感や充実感をもたらす重要な要素です。ここでは、高齢者が感じる生きがいの瞬間について、いくつかの具体的なシーンを紹介します。
1位. 孫など家族との団らんの時
家族と過ごす時間は、特に孫と一緒にいる時に大きな喜びを感じる瞬間です。孫たちの成長を見守り、遊んだり会話を楽しむことは、心の充実感や幸福感をもたらします。家族の絆が深まることで、孤独感が薄れ、心の支えになります。
「孫など家族との団らんの時」は、高齢者にとって多くのポジティブな効果をもたらします。以下のような具体的な効果が考えられます。
1-1. 精神的な安定感
家族との交流、特に孫との団らんは、孤独感や不安を軽減し、精神的な安定感を得る大きな要因となります。家族との温かい触れ合いは、愛情や支えを感じることで、安心感を与え、心が穏やかになる効果があります。
1-2. 心の活性化・喜び
孫の成長を見守ったり、子供たちと遊んだりすることで、日々の生活に新しい刺激や喜びが生まれます。孫との時間は、会話や遊びを通じて、自然に笑顔が増え、前向きな気持ちになることが多いです。これにより、生活全体の質が向上し、楽しみを感じる瞬間が増えます。
1-3. 社会的つながりの強化
家族と定期的に交流することは、社会とのつながりを維持する手段の一つです。孫や子供とのコミュニケーションを通じて、世代間の絆が強まり、孤立感が薄れます。特に、高齢者が社会的に孤立しないためには、家族のサポートや愛情が非常に重要です。
1-4. 認知機能の維持
孫との会話や活動は、高齢者の脳に刺激を与え、認知機能の維持に役立ちます。子供たちとの遊びや質問に答えることで、新しいことを考えたり、創造的なアプローチを取る必要があり、脳を活性化させます。これにより、認知症予防の効果が期待できます。
1-5. 肉体的な活動の促進
孫と一緒に体を動かす機会も多くなります。例えば、外で一緒に遊んだり、散歩に行ったりすることで、日常的な運動量が増え、身体的にも健康維持に貢献します。適度な運動は、体力の維持や関節の柔軟性向上に役立ちます。
1-6. 世代間の学びと共有
孫たちと過ごす時間は、世代間で知識や経験を共有する貴重な機会でもあります。高齢者は自分の経験や知恵を若い世代に伝える一方で、孫からも現代の文化や技術、価値観を学ぶことができます。この双方向の学びは、お互いの理解を深め、尊重し合う関係を築くのに役立ちます。
「孫など家族との団らんの時」は、高齢者にとって精神的、身体的、社会的な面で多くの恩恵をもたらします。愛情に満ちた家族との時間は、心身の健康を促進し、生きがいや喜びを与える大切な瞬間です。定期的に家族と交流することで、より充実した生活が送れるでしょう。
2位. おいしい物を食べている時
食事は、五感を満たし、日常の中で楽しみを感じる貴重な時間です。特に、健康的で美味しい食べ物を楽しむことは、身体的にも精神的にも良い影響を与えます。食べ物に対する喜びは、食事を共有することでさらに増し、会話や交流のきっかけにもなります。
「おいしい物を食べている時」には、心身に多くの良い効果をもたらします。食事は単なる栄養摂取の手段にとどまらず、感覚や心理的な満足感を満たし、健康全般にポジティブな影響を与える重要な行為です。以下のような効果があります。
2-1. 精神的なリラックス・幸福感
おいしい物を食べることは、脳内で「ドーパミン」や「セロトニン」などの快感をもたらすホルモンが分泌され、幸福感やリラックス効果が生まれます。特に好きな食べ物を楽しむと、ストレスが軽減され、心が穏やかになる瞬間を感じることができます。
2-2. コミュニケーションの促進
美味しい食べ物は、人との交流を深める大切な役割を果たします。家族や友人と一緒に食事をすることで、自然に会話が弾み、絆が深まります。共通の体験を共有することで、関係がより密接になる効果もあります。また、食事を一緒に楽しむことが、感謝の気持ちや愛情を表現する手段としても機能します。
2-3. 栄養バランスの向上
おいしい食べ物が健康的なものであれば、体に必要な栄養素をバランスよく摂取することができ、身体的な健康を維持する助けとなります。例えば、新鮮な野菜や果物、魚や肉など栄養豊富な食材を美味しく調理することで、食事への満足感と栄養摂取を両立させることができます。
2-4. 生活の質の向上
日常の中でおいしい食べ物を楽しむことは、生活に彩りを加え、充実感を高める重要な要素です。特に、毎日の食事が楽しみなものになることで、日々の生活が豊かになり、生活の質が向上します。食事を通じて幸せを感じる瞬間は、心の栄養ともなります。
2-5. 五感の刺激
おいしい食べ物は、味覚だけでなく視覚や嗅覚、触覚も刺激します。料理の美しい盛り付けや香り、食材の質感を楽しむことは、五感全てを使って楽しめる体験となります。このような感覚的な刺激は、脳を活性化させ、精神的な満足感をより深めます。
2-6. 心と体の調和
食事を楽しむことは、心と体の調和を促進します。美味しいものを食べることで、心が満たされ、体も栄養を十分に吸収できるため、両者のバランスが取れた状態が保たれます。この調和が、長期的な健康維持や生活の質の向上に繋がります。
「おいしい物を食べている時」は、単なる食事の時間を超えて、心と体に多くのポジティブな効果をもたらす大切な瞬間です。食事を楽しむことで精神的な満足感を得られるだけでなく、健康的な体を維持し、他者とのつながりを深めることができます。おいしい食事を定期的に楽しむことは、豊かで健康的な生活を送るための重要な要素です。
3位. 趣味やスポーツに熱中している時
趣味やスポーツは、生きがいを見つける上での重要な手段です。たとえば、ゴルフやウォーキングなどの軽い運動は、体力を維持しながら楽しむことができます。また、絵画や手芸、音楽などのクリエイティブな趣味も、自己表現の場として心を豊かにします。
「趣味やスポーツに熱中している時」は、心身にさまざまな良い効果をもたらします。趣味やスポーツは、生きがいを見つけたり、ストレスを解消したり、健康を維持したりするための重要な手段であり、高齢者をはじめ、多くの人々にとって日常生活の中で大切な役割を果たします。以下に、具体的な効果を紹介します。
3-1. ストレス解消と心のリフレッシュ
趣味やスポーツに熱中することで、日常のストレスや心配事から解放され、精神的なリフレッシュが図れます。例えば、運動をするとエンドルフィンという「幸福ホルモン」が分泌され、気分が高揚し、ストレスを自然に軽減します。また、集中力が必要な趣味に没頭することで、日常の悩みを一時的に忘れることができ、心のリセットができます。
3-2. 身体的健康の向上
スポーツに取り組むことで、身体的な健康が向上します。ウォーキングやゴルフ、ヨガなどの軽い運動は、心臓血管系の健康を促進し、筋力や柔軟性、バランス感覚を保つのに役立ちます。これにより、運動不足を防ぎ、長期的には生活の質を向上させることができます。また、定期的な運動は、血圧の安定や体重管理、糖尿病や心疾患の予防にも効果的です。
3-3. 認知機能の活性化
趣味やスポーツに取り組むことは、脳の活性化にもつながります。特に新しい趣味に挑戦したり、スポーツで戦略や計画を考えることで、脳が活発に働き、認知機能の維持や改善に寄与します。例えば、楽器の演奏や絵画の作成は、脳のさまざまな領域を使い、記憶力や創造力を高める効果があります。これにより、認知症予防にも役立つと言われています。
3-4. 社会的つながりの強化
趣味やスポーツは、他の人との交流の場にもなります。例えば、ゴルフやウォーキング、趣味のサークルに参加することで、同じ興味を持つ仲間と出会い、共通の話題でコミュニケーションを深めることができます。これにより、孤独感が軽減され、社会的なつながりを強化することができます。高齢者にとって、社会的つながりは精神的な安定感を保つために非常に重要です。
3-5. 生きがいの発見と自己実現
趣味やスポーツに取り組むことは、新たな生きがいを見つける手段でもあります。自分が好きなことに熱中し、上達する過程で達成感や満足感を得られます。また、自己表現の場として趣味に取り組むことは、自己実現を促し、自己肯定感を高める効果もあります。特に創造的な活動(絵画、手芸、音楽など)は、自分の個性を発揮する場として、生きがいの強化に役立ちます。
3-6. 心身のバランスの調整
趣味やスポーツは、心と体のバランスを保つための良い手段です。運動を通じて体を動かすことで身体的な健康を維持し、趣味を通じて精神的な充実感を得ることで、心身の調和が取れるようになります。このように、趣味とスポーツの両方に取り組むことで、バランスの取れた健康的な生活を実現できます。
3-7. 長期的な健康促進
趣味やスポーツは、長期的な健康促進に寄与します。特に、定期的な運動は生活習慣病の予防に効果的であり、心臓病や糖尿病、高血圧などのリスクを軽減することができます。また、趣味活動を通じて心の安定を保つことで、精神的な健康も維持され、幸福な生活を送ることができます。
「趣味やスポーツに熱中している時」は、精神的なリフレッシュや身体的健康の向上、社会的つながりの強化など、心身に多くの良い効果をもたらします。趣味やスポーツを通じて生きがいを見つけ、日々の生活に充実感を感じながら、健康で前向きな生活を送ることができます。これらの活動を継続的に楽しむことが、豊かでバランスの取れた人生を築くための重要な要素です。
4位. 友人や知人と食事、雑談している時
友人や知人と楽しく会話を交わしながら食事をする時間は、リラックスしつつ心の栄養を得られる貴重な瞬間です。雑談や昔話を楽しみながら、笑い合うことでストレスを軽減し、社会的なつながりを感じることができます。
5位. テレビを見たりラジオを聞いている時
テレビやラジオは、気軽に楽しめる娯楽の一つです。特にニュースやドキュメンタリー番組を通じて社会とのつながりを感じたり、娯楽番組で笑ったりすることで、日常の小さな喜びを得ることができます。また、視覚や聴覚を刺激することで、認知機能を維持する効果も期待されます。
6位. 旅行に行っている時
新しい場所を訪れる旅行は、高齢者にとって特別な生きがいです。普段とは異なる環境でリフレッシュし、観光地を巡ったり、自然の美しさに触れたりすることで、心身ともにリフレッシュできます。特に温泉旅行や自然散策など、ゆったりとした時間を過ごす旅行が人気です。
7位. 夫婦団らんの時
夫婦で一緒に過ごす時間も、高齢者にとって心地よい時間です。共に過ごしてきた年月を振り返りながら、お互いを支え合う関係を深めることで、安心感と幸せを感じます。夫婦団らんは、心の安定をもたらし、日々の暮らしに安らぎを与えます。
8位. 他人から感謝された時
ボランティア活動やちょっとした助け合いで、他人から感謝される瞬間は、生きがいの一つです。他者のために何かをすることは、自尊心や自己肯定感を高め、社会の一員として貢献できているという充実感を得られます。
9位. 仕事に打ち込んでいる時
定年後でも、何かしらの仕事や役割に打ち込むことは生きがいとなります。特に、退職後に新たなスキルを学んだり、パートタイムで社会貢献をしたりすることで、充実感を得ることができます。仕事を通じて社会とつながり続けることは、自己価値の再確認にもつながります。
10位. 収入があった時
副業や投資などで収入を得ることも、生きがいの一つです。収入があることで、経済的な安心感が増し、趣味や旅行、家族との時間に使える余裕が広がります。また、自己実現や家計への貢献といった達成感も感じられます。
11位. 勉強や教養などに身を入れている時
高齢になっても、学び続けることは生きがいの一つです。新しい知識やスキルを習得することは、脳の活性化につながり、認知症予防にも役立ちます。また、自己成長を感じることで、日々の生活に新たな意味を見出すことができます。
12位. 若い世代と交流している時
若い世代との交流は、エネルギーや刺激を受ける貴重な機会です。孫や若い知人とのコミュニケーションを通じて、新しい視点や考え方を学び、自分自身の成長にもつながります。また、世代を超えた交流は、お互いの理解を深め、絆を強化します。
まとめ:高齢者生きがいランキング
高齢者にとって生きがいは、多様な形で日々の生活に彩りを与える重要な要素です。家族との時間、趣味、友人との交流、社会貢献、学びなど、様々なシーンで感じる幸せの瞬間が、人生を豊かにし、心身の健康を支えます。これらの生きがいを積極的に見つけ、楽しむことが、長寿社会における豊かな暮らしを築くための鍵となるでしょう。本人だけが生きがいを自覚するだけではなく周りの家族や支援者たちも個人の生きがいを理解することで高齢者の寄り添うことが生活の質をあげていくことができます。