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【高額介護サービス費制度】介護保険サービス費用が高額な場合の制度活用

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介護保険サービス費用がかさむ現状

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高齢者の方々は年金での収入を得て生活を営まれている方々が大半です。年金生活の中で自身や配偶者の方が、介護状態となった場合は介護保険サービスをご利用されていきます。しかし、年金での収入は一定に対して年齢と共に介護度も重くなり介護費用も増加し生活が困窮してくるといった問題が発生することもあります。個々の介護状態によって費用は違ってきますが、費用が多額になってきた場合に介護費用を軽減する制度があるのでうまく活用していきましょう。

介護保険費用の負担割合判定

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介護保険の負担割合は所得判定によって違い1割から3割の間で設定されております。介護保険の新規申請後に負担割合証を交付されその後、要介護・要支援認定を受けた方は、毎年 6 ~ 7月頃に、市区町村から負担割合が記された証(負担割合証)が交付されます。

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※第2号被保険者(40 歳以上 65 歳未満の方)、市区町村民税非課税の方、生活保護受給者は上記にかかわらず1割負担

高額介護サービス費とは

介護サービスを利用する場合にお支払いいただく利用者負担には月々の負担の上限額が設定されています。1か月間の利用者負担合計が高額介護サービス費上限を超えたときは、超えた分が払い戻される制度です。

対象となる方平成 29 年 8 月からの負担の上限(月額)
現役並み所得者に相当する方がいる世帯の方44,400 円(世帯)※
世帯のどなたかが
市区町村民税を課税されて
いる方
44,400円(世帯)
※ 同じ世帯の全ての65歳以上
の方の利用者負担
割合が1割の世帯に年間上限
額(446,400 円)を設定。(介護保険サービス利用してい
ない方を含む。)
世帯の全員が市区町村民税を
課税されていない方
24,600 円(世帯)
世帯の全員が市区町村民税を
課税されていない方
前年の合計所得金額と
公的年金収入額の合計が
年間80万円以下の方等
24,600 円(世帯)
15,000 円(個人)※
生活保護を受給している方等15,000 円(個人)

※「世帯」とは、住民基本台帳上の世帯員で介護保険サービスを利用した方、全員分の負担額合計の上限額を指します。

※「個人」とは、介護保険サービスを利用したご本人の負担の上限額を指します。

高額介護サービスの対象には、介護老人福祉施設(特養・老健・介護療養型医療施設)などの生活費や差額ベッド代、食費、居住費などは支給対象外となります。

また、在宅介護サービスを利用している場合の住宅改修費や福祉用具購入費・民間の高齢者住宅の家賃・食事代などについても高額介護サービス費の支給対象外となります。

高額介護サービス費を利用した場合 

例1 世帯合算なし

自己負担上限額15,000円の単身高齢者が、1ヵ月に20000円を負担した場合
20000(介護サービス費用)ー15,000(自己負担上限額)=5000円

例1の場合は、5000円が高額介護サービス費として支給されます。

例2 世帯合算あり

自己負担上限24,600円の世帯で、1ヵ月に夫が30,000円、妻が20,000円負担した場合

計算式

(世帯の自己負担額合計(1割・2割・3割)-世帯の上限額)×自己負担額(1割・2割・3割)/ 世帯の自己負担額合計=高額介護サービス費



(30,000+20,000-24,600)×30,000/(30,000+20,000)=15,240円

(20,000+30,000-24,600)×20,000/(30,000+20,000)=10,160円
例2の場合は、夫15,240円、妻10,160円が高額介護サービス費として支給されます。

施設入居されている方の高額介護サービス費について

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介護保険施設(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設)及び地域密着型介護老人福祉施設に入所し、介護保険での利用者負担額が高額と想定される場合、事前に施設の同意を得て、お住まいの市町村役場の介護保険の窓口へ申請することにより、施設に対しては※利用者負担上限額までを支払い、上限額を超えた介護費用については、入居者に代わって市町村が施設に直接支払う(受領委任払い)ことができます。

※介護保険施設での上限額も、高額介護サービス費と同じ上限となる。

下記の方は高額介護サービス費の受領委任払が、対象外となりますので注意が必要です。

  • 介護保険料の滞納があり給付制限を受けている。
  • 受領委任払について、介護保険施設が同意していない場合。
  • 介護老人保健施設にて利用者負担額を軽減している。

高額介護サービス費の申請書類について

高額介護サービス費対象者の被保険者に対して、市町村役場より申請書が送付されます。個人で対象となると判断され、早急に申請を行いたい場合は、最寄りの市町村役場へ問い合わせをお願いします。

手続きに必要な提出書類としては、介護保険高額介護(介護予防)サービス費(相当事業費)支給申請書、被保険者証、口座振替申出書等を市町村役場へ提出する必要があります。

書類申請を提出しておけば、毎月事の申請書類提出の必要は無くなり、1ヶ月に一定の上限金額を超えた利用者負担がある月においては、自動的に計算し支給されます。

高額介護サービス費制度のまとめ

高額介護サービス費まとめ

・介護保険申請後の負担割合の確認を行う。所得によって1割~3割の負担割合となる。

・介護保険サービス利用料(1~3割)の合計金額を計算し、各個人・世帯ごとの上限額を超えていない確認。

・高額介護サービス対象については基本は市町村から申請書の送付されてくる。その際の申請書類を提出する。

・施設入居、在宅介護ともに高額介護サービス費の申請は行える。

注意点:高額介護サービスの対象には、介護保険施設などの居住費や食費、差額ベッド代、生活費などは対象外になる。また、在宅介護での福祉用具の購入費や住宅改修費についていも高額介護サービス費の支給対象外となる。

1年間の介護費用と医療費が高額になった場合

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人によっては介護費と医療費が高額になってくる場合もあります。そういった場合、医療保険」では高額療養費として、「介護保険」では高額介護サービス費として、保険制度ごとに自己負担額の上限額を超えた額が月額で支給されてます。この制度以外にも、1年間の公的な医療保険と介護保険のサービス費の自己負担額が想定以上に高額になってしまった場合に、それを軽くするための制度として高額医療・高額介護合算療養費制度が設定されております。この制度は1年単位で公的な介護費用と医療費を合算して、なお残る重い負担を解消してくれる制度となっております。

高額医療・高額介護合算療養費制度とは

 高額医療・高額介護合算療養費制度は、「医療保険」と「介護保険」の両方のサービスを利用している世帯の負担を軽減するため、1年間(毎年8月から翌年7月末)に支払った各保険制度の自己負担額の合計が基準額を超えた場合、支給申請をすることにより、その超えた額が支給されるものです

高額医療・高額介護合算療養費制度の詳細