特別養護老人ホームとは?
特別養護老人ホームとは要介護高齢者のための生活施設であり、入浴、排泄、食事等の介護その他日常生活の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行う施設です。
※定員が29名以下のものは、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)と呼ばれています。
特別養護老人ホームの入居基準
特別養護老人ホームの入居には基準があります。
- 介護度が要介護3以上で、感染症などの医療的処置を必要としない方。
- 特定疾病が認められた要介護3以上で40歳~64歳までの方。
- 特例による入居が求められた要介護1~2の方。
特別養護老人ホームの費用について
①施設介護サービス費+②家賃+③食費+④日常生活費=特別養護老人ホーム費用です
特養の費用相場10万~16万程度です。介護度・負担割合・居室タイプによって費用が違ってきます。※負担限度額証など申請することで費用を抑えることができる場合があります。
※居室タイプについて費用が変わってきます。
多床室・・・複数人で1室を利用するタイプ
従来型個室・・・1室を1名で利用するタイプ
ユニット型個室・・・1名1室のうえ、ユニット(10名前後)単位で共同スペースが設置されているタイプ
①施設介護サービス費
介護度・居室別自己負担額(30日間) | ||
居室タイプ | 多床室 /従来型個室 | ユニット型個室 /ユニット型準個室 |
要介護1 | 16,770円 | 19,140円 |
要介護2 | 18,810円 | 21,150円 |
要介護3 | 20,910円 | 23,340円 |
要介護4 | 22,950円 | 25,380円 |
要介護5 | 24,960円 | 27,390円 |
②家賃(居住費)
- 住民税課税世帯の方
家賃(居住費)の負担限度額 | |
多床室 | 25,650円 |
従来型個室 | 35,130円 |
ユニット型準個室 | 50,040円 |
ユニット型個室 | 60,180円 |
③食費
食費の負担限度額 | 41,760円 |
④日常生活費
日常生活費 | 10,000円 |
※日常生活費は相場です。個人によってはこれ以上の費用になる可能性はあります。また、施設によっては加算が違ってきます。
①施設介護サービス費+②家賃+③食費+④日常生活費=特別養護老人ホーム費用です。現在の介護と居室タイプを選んで頂き特別養護老人ホームの相場を確認してみて下さい。
※収入によっては居住費と食費は、特定入居者介護サービス費を申請することで負担軽減することができます。
特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)
介護保険施設入所者の人で、所得や資産等が一定以下の方に対して、負担限度額を超えた居住費と食費の負担額が介護保険から支給されます。
なお、特定入所者介護サービス費の利用には、負担限度額認定を受ける必要がありますので市区町村に申請をしてください。
負担限度額は所得段階、施設の種類、部屋のタイプによって異なります。
負担限度額(日額) | ||||
基準費用額(日額) | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | |
食費 | 1,380円 | 300円 | 390円 | 650円 |
居住費 | ||||
ユニット型個室 | 1,970円 | 820円 | 820円 | 1,310円 |
ユニット型個室的多床室 | 1,640円 | 490円 | 490円 | 1,310円 |
従来型個室 | 1,150円 | 320円 | 420円 | 820円 |
多床室 | 840円 | 0円 | 370円 | 370円 |
特別養護老人ホーム(特養)の高齢者に対するケアについて
特別養護老人ホームにケアは基本的な食事・排泄・入浴介助は十分に実施して頂けます。ただ、従来型施設(多床室)とユニット型施設の施設形態から、入居者の生活行動が違ってきます。多床室ではカーテンで仕切られた空間であり、プライバシーという点では十分ではありません。排泄介助などがある際は、匂いなども匂ってしまうのが建物上の欠点でもあります。その点ユニット型は個室になるので十分なプライバシーの空間を保つことができます。居室のタイプによってプライバシーという点では大きな違いがありますので特別養護老人ホームの居室を選ぶ際はタイプ別の居室をよく把握しておいてくください。
特別養護老人ホームの居室の形
ユニット型個室
10人以下の生活単位(ユニット)ごとに共用スペースが併設されている個室

ユニット型準個室
居室が、可動しない間仕切り(天井との隙間がある)などで仕切られて完全な個室になっていないユニット型個室

従来型個室
ユニットを構成しない個室

多床室
定員2人以上の、個室ではない居室

特別養護老人ホームのユニットケア
ユニットケアとは、高齢者の一人ひとりの生活リズムや生活に合わせた支援を提供していくケアの手法です。建物上の形式としては個別の部屋と共有の空間を一つのユニットとして設計しております。ケア方法としてユニットリーダーの配置が義務付けられておりユニットリーダー研修を受けた職員が職員に対して、ケアの指導助言を行い入居者の生活の質を上げていくように支援を行って頂けます。
特別養護老人ホームのターミナルケアについて
看取りとは、近い将来、死が避けられないとされた人に対し、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減するとともに、人生の最期まで尊厳ある生活を支援することです。特別養護老人ホームでの看取りを希望される場合は、ターミナルケア加算が算定され費用が掛かってきます。ターミナル期であると医師が判断しそこからケアを実施します。ケアを開始する際はカンファレンス(担当者会議)を行い家族様の意向や想定される症状になった際どう対応していくなど話し合っていきます。その人らしい最後の時を穏やかに過ごして頂けるようにケアを行っていきます。
特別養護老人ホームに早く入居する為には
特養養護老人ホームは順番待ちになっております。早く入る為にはできるケアマネと相談を行い早急に入居をおこなっていきたいということを相談しておき特養の相談に伝えて頂くことが大切です。また、特養ではショートステイなどがありますのでショートを利用し普段から入居者様の状態を特養に職員に知って頂き家族の介護状況なども把握して頂くことが特養の入居を早めるポイントとなります。入居前には入居判定会議が行われます。この会議でできる限り入居できる状況を把握してもらい、職員さんから発言して頂く事が早く入居する為のポイントと言われています。
※2020年2月に作成した記事の為、加算や費用は年度により変更があります。詳細は各事業所の最新版のホームページでご確認をお願いします。