介護ブログ|事業所との関係は最低限でいい ― なれ合いが生むリスクと“シャドーワーク”

事業所との関係は最低限でいい

ケアマネジャーをしていると、日々たくさんの事業所や専門職と関わります。訪問介護、訪問看護、デイサービス、福祉用具、施設相談員…。新しい人と出会うたびに「連携が大事ですから」「顔の見える関係をつくりましょう」と言われます。
けれども私は、事業所との関係は必要最低限で十分だと考えています。むしろ、なれ合いは利用者の支援を歪め、ケアマネ自身を疲弊させる原因にもなりかねません。
なれ合いがシャドーワークの要因
一見「横のつながり」は良いことのように思えます。会議の場で和やかに笑い合い、電話一本で気軽に頼みごとができる関係は、仕事をスムーズにするように見えるでしょう。けれども、その裏側で“なれ合い”が生まれると、本来の目的がぼやけてしまいます。
質に疑問のあるサービスを見ても「まあ、あの事業所だから仕方ないか」と目をつぶる。いつもの付き合いに流されて他の選択肢を提示せず、利用者に同じ事業所を勧めてしまう。これでは公平性も専門性も揺らいでしまいます。
さらに問題なのは、なれ合いが“シャドーワーク”を生み出すことです。シャドーワークとは、本来の業務範囲を超えた「見えない仕事」のこと。たとえば「ちょっとついでに」と頼まれた連絡調整や、正式な依頼ではない相談ごとに振り回される。あるいは「悪いから断れない」とサービスの穴を埋めるためにケアマネが余計な役割を背負い込む。これらは帳簿には残らず、評価もされず、ただ疲労と不満だけが積み重なっていきます。
ケアマネ自身を守ることにつながる
ケアマネの役割は、あくまで中立的なコーディネートです。誰かに義理立てすることでも、便利屋になることでもありません。大切なのは、利用者が自分で選び、自分らしく暮らせるように道を整えること。そのためには、時に冷静に「ノー」と言う勇気が必要です。
もちろん、人間関係を壊す必要はありません。礼儀をもって接し、必要な情報は交換し合う。ただ、それ以上の付き合いは不要です。友達のような距離感ではなく、互いの専門性を尊重するパートナー関係で十分。線引きを明確にすることが、シャドーワークを防ぎ、利用者にとって健全な支援につながります。
介護の世界は「優しさ」や「思いやり」という言葉に包まれがちです。しかし、そこに甘えや妥協が入り込むと、気づかないうちにケアマネが余計な負担を背負い、利用者の自己決定を奪ってしまうことがあります。だからこそ、私は声を大にして言いたいのです。最低限のつながりこそが、利用者のためになり、ケアマネ自身を守ることにつながるのだと。
あなたの現場には「なれ合い」が生み出すシャドーワークはありませんか? その違和感に気づいたときこそ、専門職としての線引きを見直すタイミングかもしれません。

























