介護ブログ|介護現場にあふれる“いい人風”の罠 ― 薄っぺらさを見抜く力

介護現場にあふれる“いい人風”の罠 ― 薄っぺらさを見抜く力

介護の仕事をしていると、職場や会議の場でよく出会うタイプがいます。にこやかで、愛想がよく、声をかければ「はい、いいですよ」と笑顔で返してくれる人。一見すると、協調性があり、利用者思いの「いい人」です。しかし、その“いい人風”の態度に安心してしまうと、後で大きな落とし穴にはまることがあります。
いい人風の特徴
「いい人風」の人は、とにかく場の空気を和らげるのが得意です。否定的な言葉は使わず、いつも前向きで、相手に合わせることを優先します。問題提起をされても「そうですね、大切な視点だと思います」とやわらかく受け止めてくれます。
一見、理想的なチームメンバーですが、実際には「中身が伴っていない」ケースが少なくありません。いざ利用者の支援で具体的な責任を持つ場面になると、動きが遅い、約束を守らない、肝心なところで消えてしまう…。そんな経験をしたことはないでしょうか。
なぜ罠になるのか
介護現場では「人柄の良さ」がとても重視されます。確かに、冷たい態度をとるよりは優しい言葉をかけられる方が安心です。けれども、“いい人風”が危険なのは、「責任ある行動」と「ただの好印象」が混同されやすい点にあります。
表面上の優しさに触れているうちに、「この人なら大丈夫だろう」と思い込んでしまう。結果的に確認や指摘を怠り、利用者に不利益が生じるリスクが高まります。
例えば、訪問介護で「できるだけ柔軟に対応します」と言ってくれるスタッフ。最初は頼もしく感じても、実際には記録が曖昧で、後から確認すると誰が何をしたのか分からない。利用者からのクレームが出ても「そうなんですか、すみません」で終わってしまう。こうした“曖昧な優しさ”が積み重なると、現場全体がルーズになり、支援の質が下がってしまうのです。
薄っぺらさを見抜くポイント
では、“いい人風”の薄っぺらさをどう見抜けばよいのでしょうか。私は次の3つが鍵だと考えています。
- 具体性があるかどうか
発言に「誰が・いつ・どうするか」が含まれているか。抽象的な「頑張ります」「考えておきます」が続く人は要注意です。 - 行動が伴っているか
口では「大丈夫」と言っていても、実際の仕事に遅れや抜けが多い人は信用できません。行動と発言が一致しているかを見ることが大切です。 - 責任を引き受ける覚悟があるか
問題が起きたときに「すぐに対応します」と自分ごととして動けるかどうか。逃げ腰かどうかで、その人の本質が表れます。
ケアマネとしての立場
ケアマネの仕事は、利用者の生活を支える全体のコーディネートです。そのため、関わる専門職が「いい人風」なのか、それとも本当に信頼できる人なのかを見抜く力が求められます。
なれ合いや雰囲気に流されると、利用者にとって最適な支援が揺らぎます。逆に「この人は表面的に合わせているだけかもしれない」と一歩引いて見られると、必要なチェックや調整ができるようになります。
まとめ ― 本当の“いい人”とは
介護現場で本当に頼れる「いい人」とは、笑顔や優しい言葉の裏に、確かな責任感と行動力を持っている人です。時には耳の痛いことをはっきり言える勇気も、利用者のためには欠かせません。
私たちは“いい人風”の心地よさに惑わされず、その人の行動の実質を見極める必要があります。
あなたのまわりにも、「いい人そうだけど何か違う」と感じる人はいませんか? その違和感を見逃さないことが、利用者の生活を守るための大切な視点なのです。

























