ケアプラン:インフォーマルサービスにつてのポイント
ケアプランにおけるインフォーマルサービスとは、介護保険制度や公的サービスの枠に入らない、家族や友人、近隣住民などによる非公式な支援やサポートを指します。
1. 利用者の希望とニーズを反映
利用者本人およびその家族の希望やニーズをしっかりとヒアリングし、どのようなインフォーマルサービスが必要かを明確にすることが重要です。
2. 家族や友人の役割を明確化
インフォーマルサービスに参加する家族や友人の役割を具体的に定めることで、責任の所在を明確にし、協力体制を強化します。あくまで友人やボランティアには強制力や重要な権限などは発生しません。そこを踏まえたうえで支援の協力を依頼していくことが重要です。
3. 近隣住民との連携
地域社会とのつながりを大切にし、近隣住民による支援やボランティア活動を活用することで、利用者の生活の質を向上させます。
4. 公的サービスとのバランス
インフォーマルサービスと公的サービスをバランスよく組み合わせることで、包括的かつ持続可能なケアを提供します。
5. インフォーマルサービスの限界を認識
インフォーマルサービスには限界があるため、無理のない範囲での支援を心がけるとともに、必要に応じてプロの介護サービスを利用することも考慮します。また、ケアマネは地域資源が足らないときは地域ケア会議などを活用し資源の開発を提案することも重要です。
6. 定期的な評価と見直し
インフォーマルサービスの効果を定期的に評価し、利用者の状態やニーズの変化に応じてケアプランを見直すことが重要です。
7. ストレスケア
家族や友人などのインフォーマルケア提供者のストレスや負担を軽減するためのサポートも必要です。カウンセリングやサポートグループの活用も検討します。
8. 法的および倫理的配慮
インフォーマルサービスを利用する際には、利用者の権利やプライバシーを尊重し、法的および倫理的な配慮を忘れないことが重要です。
ケアプラン2表【文例】:インフォーマルサービス
生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 長期目標 | 短期目標 | サービス内容 |
---|---|---|---|
これからも、病状悪化や身体能力低下無く、家族と一緒に在宅生活を送りたい。 | 病状の悪化やが無く、家族と一緒に在宅生活が送れる | 定期的な通院が行える。 | 家族による通院介助を行う。 |
サービス付き高齢者向け住宅の生活を快適に過ごす。 | サ高住での生活を不住なく過ごすことができる | 必要な物品の購入が行える。 | ご家族にて必要物品を購入する。 |
しっかりと食事をおこない体力を維持していきたい。 | 健康的な食事を行い体力維持が図れる。 | 3食しっかりと食事をとることができる。 | 配達弁当や簡単な食材を調理し、栄養面で整った食事を行う。※必要時はヘルパーにて調理方法の指導や調理を行っていく。○○の配達弁当・食事準備食後の内服などの声掛け・内服準備等の支援を行う。 |
できるだけ薬の効いている時間帯に自分で身のまわりの事をしたいが思うように動けなくなる事も多い。家族に迷惑は掛けたくないが一人ではどうする事もできなくなる事もある。 | 安心して生活できる。 | 安全に移動できる | 薬が効いている時間帯に家族の見守りで入浴。 動けない時間帯は家族で移動や身の回りの事を介助 |
安全に病院受診を行い安定した在宅生活を送りたい | 主治医に状態観察を行ってもらい病状が安定して在宅で過ごしていきたい。 | 定期的に安全に病院受診を行える。 | 病院へ受診を行う。家族が受診介助を行う予定だが家族の都合により受診介助か行えない場合は訪問介護による通院介助を行う。 |
安全に歩行ができるようになりたい | 介助なく自身の足で病院受診しリハビリを受けることができる。 | リハビリを受け歩行距離を伸ばすことができる。 | 訪問マッサージによるリハビリの実施。・歩行・筋力訓練・日常生活動作訓練・家族へ安全な移動や介助方法の指導、助言を行う。 |
一人での生活で困る事々不安に思う事も出てくると思うので相談できる環境を作りたい。 | 地域の中で安心して暮らす。 | 状態や状況に合わせ相談でき不安を軽減する事ができる。 | 各サービス・家族様・民生委員との連携を図り本人の状況の確認や必要なサービスの提案や助言をおこないます |
栄養バランスの取れた食事をとってほしい | 栄養バランスの取れた食事を行い体調不良を起こすことなく生活が送れる。 | パン以外の食事を行うことができる | 家族が食品を購入しバランスのとれた食事の提供を行う。 |
栄養不足・脱水にならないようにしたい。 | 食事を確実に行うことで体調不良起こすことなく過ごせる。 | 安全な環境で食事・水分補給を行うことができる。 | 家族にて食事の準備水分・食事提供を行う。サイドテーブルレンタル |
塩分調整がおこなえバランスの良い食事を手軽に摂れるようにしたい。 | 減塩食をバランス良く食べる事ができる。 | 宅配での御弁当を利用する。 | 夕食用の御弁当を宅配 |
家事全般や身の回りの事はすべて息子がおこなってくれており食べやすい物を買って来てくれている。 | 自分で出来る事を増やす。 | 座って出来る家事を続ける。 | 家事全般や自宅内の移動時の介助更衣や排池時の介助家族が取り入れた洗濯物を畳む |
健康を維持するためにも、食事のお手伝いをしてほしい | おいしく楽しく食事を食べて、栄養状態を維持できる | 介助を受けて、食事を食べることができる。 | ①食事の提供及びセッティング・見守り・声掛け・食事介助②ごはんは家族にて準備 |
肩が凝り、身体のあちこちが痛くてしんどい。 | 痛みの緩和 | 関節を動きやすくしていく。 | 訪問マッサージ、電気振動、あんま、指圧 |
施設入居しており買い物になかなか行けない為、買い物を手伝ってほしい。 | 施設生活での必要物品を購入でき安心して生活を送れる。 | 家族にて物品購入を行う。 | 嗜好品などは家族に購入してもらう。必要な物品などは施設サービスで準備・購入を行う |
時々は家族にあって話をしたい。 | 家族と一緒に過ごす時間を持つ。 | ご家族に自室にきてもらい、団らんする。 | ご家族の自室訪問 |
自宅での家事で起こる身体的な負担の軽減を図り転倒事故を防止したい | 身の回りの環境の整った自宅で安全に健康的に生活が継続できる。 | ①栄養のバランスの取れた食事が取れる。②心身ともに清潔に過ごせる。 | ①家族、本人による食事の準備。②訪問介護による台所、居室、浴室、トイレの掃除。 |
自宅で安心して生活を継続していく | 健康管理を行い安心して過ごすことができる。 | 定期的に医療面での観察を行う | 医療面での継続した観察・治療を実施。病状観察を考慮した生活上の指導と助言を受ける。必要時、家族による病院受診へ介助 |
自宅で安心して生活を送っていきたい。 | 安定した状態で在宅生活を継続する | 定期的に病院受診を行う。 | 定期的に家族による病院受診を行い病状を安定して頂く。 |
疾患により継続した医学的管理が必要である。認知症状もあり一人で通院する事はできない。 | 安心して施設での療養生活を送ることが出来る。 | 全身状態観察を行い体調管理ができる。 | 定期的な訪問診療により病状の把握と必要な処方・検査が受けられる。本人・家族へ療養上の指導・助言 (居宅療養管理指導)専門医への通院付き添い |
清潔な状態を維持したい。 | 皮膚トラブルなく清拭保持していくことができる。 | 清拭・入浴支援を受け身体保清を図ることができる。 | ①訪問入浴での入浴支援②訪問看護・家族での清拭介助(適宜) |
生活に必要な物品を購入したい。 | 自宅での生活が支障なく過ごせる。 | 定期的に生活に必要な物品購入を行う。 | ①訪問介護による買い物代行②ご家族による必要な物品の購入 |
生活面での支援を受けながら住み慣れた家で暮らしたい。独居生活を続けたい。 | バランスよく食事をとることができ、体調を整えることができる。 | 配食サービスを受けて、食事をとることができる。 | ・お弁当の宅配 |
体調に気をつけて健康に過ごしたい | 痛みなく、安楽に動作ができる。 | マッサージを受けて、痛みを緩和する。 | マッサージの施術を受ける。簡単な運動や体操を行う。 |
糖尿病の管理を行う。 | 糖尿病の管理を行い病状を安定させる。 | 1日1回、就寝前にインスリンを実施する。 | ・本人によるインスリン実施。・家族によりインスリン実施の電話を入れる・定期てな病院受診を行う。 |
独居で認知症があり、薬の管理や体調管理に不安がある。 自宅で今まで通り暮らしたい。 | 食事の提供を受け、栄養のバランスがとれ、体調を崩さず生活できる。 | 定期的なお弁当の提供、ヘルパーの利用を受け入れる事ができる。 | ・昼食の配膳、食事の促し、声かけ・服薬の声かけ・体調確認・必要時買い物・お弁当の提供 |
馴染みの整骨院の先生が訪問してくれることで会話もできるようになる | マッサージを受け安楽に過ごせる。 | リラックスできる | マッサージを受ける事でリラックスできる時間が作れる。 |
入浴支援をお願いしたい。 | 安全な環境で入浴支援を受け身体保清か図れる。 | 入浴を行うことができる。 | 定期的に家族による入浴支援を行う。※キーパーソン家族が動けない場合や本人が動けない場合等、必要時は訪問看護による身体保清の支援を行う。 |
脳梗塞による右麻瘴かおる。拘縮や筋力低下を防いでいきたい。 | 支えて貰いながら自宅内を歩いて移動できる。 | リハビリを受ける事ができる。 | ・関節可動域訓練・筋力訓練・日常生活動作練習・家族へ安全な移動や介助方法の指導、助言を行う。 |
買い物に行きたい | 買い物に行き気分転換を図る。 | 必要な物品を購入する。 | 家族と共に外出し買い物を行う。※家族や本人では買い物が難しい場合は、必要物品に関しては買い物代行や施設サービスを活用し物品の購入を行う。(必要時) |
必要物品の購入をお願いしたい。 | 必要物品を購入し安心して生活が送れる。 | 必要物品を定期的に確認し買い物代行することで、生活に支障なく過ごせる。 | 訪問介護による買い物代行を行い、必要物品や食材の購入を行う。家族よる買い物支援 |
夫との二人暮らしであり今の所は夫婦二人で通院もできている。 このまま受診は継続したい。 | 体調が安定して過ごせる。 | ①検査や内服管理。疾病に関しての相談援助②定期受診 必要時、専門医院 への受診付き添い | 外来受診家族による受診介助 |
病状観察を行い安定して自宅で過ごしていきたい。 | 在宅生活が安定する栄養管理が行える。 | 胃ろう管理を実施する。 | 1日3回の胃ろう管理を行う (朝・昼・夕)家族による胃ろう管理。訪問看護より胃ろうの状態観察を行う。 |