高齢者は介護・医療費が増加してくる
誰しも歳を重ねていくと肉体的な老化が伴ってきます。個人でその差はありますが老化に伴った病気や肉体的な低下が起こり医療費や介護費用が発生して老後生活の経済的な負担が増加していく場合があります。誰もがゆとりある生活が送れるように、公的な負担軽減制度がありますので対象に当たる方は活用してみて下さい。
高額療養費制度
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月初から月末まで、例:1/1~1/31)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。(ご加入している医療保険に申請が必要です。)
※入院した際のベット代や食費費用は含まれません。高額療養費の上限額は年齢や所得により異なります。
70歳以上の方 高額療養費制度
毎月の上限額は、医療保険加入者の年齢が70歳以上かどうかや、医療保険加入者の所得水準によって分けられます。また、70歳以上の方には、外来受診だけの上限額も設けられています。
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) | |
外来(個人ごと) |
現役並み | 年収約1,160万円~ 標報83万円以上/課税所得690万円以上 | 252,600円+(医療費-842,000)×1% | |
年収約770万円~約1,160万円 標報53万円以上/課税所得380万円以上 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% | ||
一般 | 年収約370万円~約770万円 標報28万円以上/課税所得145万円以上 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% | |
年収156万~約370万円 | 18,000円 年14万4千円 | 57,600円 | |
非課税等住民税 | Ⅱ 住民税非課税世帯 8,000 | 8,000円 | 24,600円 |
Ⅰ 住民税非課税世帯 (年金収入80万円以下など) | 15,000円 |
(平成30年8月診療分から)
注:1つの医療機関等での自己負担では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。(例:A病院とB病院を受診し合計額が限度額を超えている場合、超えた分の高額療養費の支給対象となります。)
69歳以下の方 高額療養費制度
毎月の上限額は、医療保険加入者が70歳以上かどうかや、加入者の所得水準によって分けられます
適用区分 | ひと月の上限額(世帯ごと) | |
ア | 年収約1,160万円~ 健保:標報83万円以上 国保:旧ただし書き所得901万円超 | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
イ | 年収約770~約1,160万円 健保:標報53万~79万円 国保:旧ただし書き所得600万~901万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
ウ | 年収約370~約770万円 健保:標報28万~50万円 国保:旧ただし書き所得210万~600万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
エ | ~年収約370万円 健保:標報26万円以下 国保:旧ただし書き所得210万円以下 | 57,600円 |
オ | 住民税非課税者 | 35,400円 |
(平成30年8月診療分から)
注 :1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担(69歳以下の場合は2万1千円以上であることが必要です。)を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。
世帯合算での高額療養費
おひとり1回分の窓口負担では上限額を超えない場合でも、複数の病院受診や、同じ世帯にいる他の方(同じ医療保険に加入している方に限ります。)の受診について、窓口でそれぞれお支払いいただいた自己負担額を1か月単位で合算することができます。
その合算額が一定額を超えたときは、超えた分を高額療養費として支給します。
※ ただし、69歳以下の方の受診については、2万1千円以上の自己負担のみ合算されます。
私たちはおじいちゃんたちと一緒に暮らしいるのですが、「世帯合算」の申請は、家族のどの範囲まで自己負担額を合算し申請できのですか?
自己負担額の合算は、同一の医療保険に加入する家族を単位として行われます。住民基本台帳上の世帯の範囲とは異なりますので注意が必要です。
私たちの場合、旦那の健康保険におじいちゃんたちが加入しているから、合算しても大丈夫ですね。
会社で働く方やその家族などが加入する健康保険であれば、被保険者とその被扶養者の自己負担額は、家族の住所が異なっていても合算できます。共働きの夫婦など、別々の健康保険に加入の場合は、住所が同じでも合算の対象となりませんので注意が必要です。
高額療養費制度の申請方法
ご自身が加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など。)に、高額療養費の支給申請書を提出または郵送することで支給が受けられます。
なお、どの医療保険に加入しているかは、保険証(正式には被保険者証)の表面にてご確認ください。
高額療養費を申請した場合、支給までに時間について
受診した月から少なくとも3か月程度かかります。
高額療養費は、申請後、各医療保険で審査した上で支給されますが、この審査はレセプト(医療機関から医療保険へ提出する診療報酬の請求書)の確定後に行われます。レセプトの確定までに一定の時間がかかります。
医療費がかさんでいるのではやく高額医療費を支給してほしいじゃが難しいのかの?
申請した場合は、レセプトが必要です。医師からの書類・事務関係の会計書類などを国に提出し確認するという作業になりますので時間がかかる事はご了承して頂き申請をお願いします。
医療費のお支払いが困難なときには、無利息の「高額医療費貸付制度」を利用できる場合がありますので必要な場合はご検討をお願いします。
高額介護合算療養費制度
1年間にかかった医療・介護保険の自己負担が著しく重くなった場合に、負担を軽減する制度です。
高額医療・高額介護合算療養費制度(以下「合算療養費制度」といいます。)とは、世帯内の同一の医療保険の加入者の方について、毎年8月から1年間にかかった医療保険と介護保険の自己負担を合計し、基準額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。
高額療養費制度が「月」単位で負担を軽減するのに対し、合算療養費制度は、「月」単位での負担軽減があっても、さらに重い負担が残る場合に「年」単位でそれらの負担を軽減する制度になります。
詳しくは、ご加入の医療保険にお問い合わせください。
高額療養費制度のまとめ
・ひと月にかかった医療費が上限を超えた場合、超えた分が払い戻される
・所得と70歳以上の方と69歳以下の方で上限額が違ってくる。
・個人申請と世帯合算申請があり、世帯合算での申請は同一の医療保険に加入する家族である必要がある。
・高額療養費申請はご自身が加入している公的医療保険への申請となる。
・高額療養費に申請し支給されるまでの期間は3ヶ月は必要である。